がん細胞は増殖する力は強いのですが、正常細胞に比べ熱に弱い特性を持っています。
がん細胞は41度でダメージを受け始め、42.5度で死んでしまいます。
この性質を利用したがん治療が温熱療法で、ハイパーサーミアとも呼ばれます。
正常細胞は加温しても体温を一定に保つ体の働きにより細胞が守られますが、がん細胞は加温によって高温となり、死滅してしまうのです。
温熱療法は単独でがんを治癒することは難しく、化学療法や放射線療法と併用して行われるがん治療です。
特に体の奥にあるがんは、骨や脂肪により熱が届きにくく、温熱療法だけで治すのは難しいのです。
温熱療法には、全身温熱療法(全身を加温する)と、局所温熱療法(がんとその周辺の加温)があり、主に使われるのは局所温熱療法です。
局所温熱療法では、マイクロ波や電磁波で患部を温めます。
一般的に体の外から放射しますが、食道、直腸、子宮、胆管などは、口や腟、肛門などから器具(電極針など)を入れて加温する方法もあります。
加温時間は体の負担を考えて、45分から60分くらいです。
温熱療法は、副作用がなく、がんを弱らせることにより、併用している抗がん剤などの効き目を大きくする特徴があります。
デメリットは、加温することによる、やけどや痛みです。
温熱療法は1996年より保険が適用となりました。
ただし、温熱療法だけでは治癒が難しいことから、現在、温熱療法は局所進行がんや再発したがんに対するがん治療となっているのです。
女性に多いがんである子宮がんは、子宮体がんと子宮頸がんがあります。
子宮体がんは、子宮内膜がんとも呼ばれ、子宮内膜の細胞が異常増殖する病気です。
しかし、生理のある人ならば毎月の生理によって子宮内膜も毎月剥がれ落ち、がんになる前に排出されてしまいます。
そのため、規則正しい生理のある人は、まずかからない病気で、かかるリスクの大きい人は生理不順の人や更年期の女性です。
初期症状のサインは、閉経前の人ならば生理不順です。
生理時以外に少量の出血があります。
閉経後の人は、赤色・黒色どちらの出血でも、子宮体がんの疑いがあります。
40歳未満で、早期がんの0期ならば、高容量黄体ホルモン療法で60%の人が治ります。
この場合のがん治療では子宮摘出手術は必要ありません。
これ以降の進行がんでは、抗がん剤でがんを小さくしてから手術をする、ネオアジュバンド化学療法が行われます。
子宮頸がんは性交によりHPV(ヒトパピロマウイルス)に感染して起こります。
早期がんであれば、患部だけを切除する円錐(えんすい)切除で直せます。
円錐切除は日帰り手術もでき、妊娠・出産も可能です。
進行がんの場合は、抗がん剤でがんを小さくしてから手術します。
子宮体がんと子宮頸がんは、どちらも早期発見・早期治療が大切です。
早期発見であれば、がん治療は効果的であり、そのために定期的な診断が重要なのです。
子宮体がんの検査は、生理不順の人や更年期の女性、50歳以上の女性は半年に1回が望ましいです。
多くの種類のある抗がん剤は、がん治療に欠かせないものです。
がん細胞の分裂が早いことから、がん治療で使われる抗がん剤は、分裂の早い細胞を攻撃する特徴があります。
抗がん剤と言えば強い副作用が想像されますが、抗がん剤の進歩はめざましく、また副作用を和らげる薬もできています。
がんが全身に散らばる可能性があって、局所の手術などでの治癒が難しい場合などで用いられています。
がん細胞は、DNA合成や細胞分裂を頻繁に繰り返し増殖スピードが速いのが特長です。
この性質をもった細胞を抗がん剤は攻撃し、がん細胞の増殖を抑えるのです。
しかし、がん細胞だけでなく、毛髪の細胞も増殖スピードが早いため、抗がん剤の副作用で毛髪の細胞も攻撃されてしまうことがあります。
これが、副作用として毛髪が抜けてしまう理由です。
現在では、がん細胞だけを攻撃し、正常細胞をできるだけ傷つけない抗がん剤、分子標的薬などができています。
抗がん剤の使い方には、手術後、がんが転移、再発しないように使用する場合があります。
また、抗がん剤で大きながんを小さくして手術するのに用いられたりしています。
抗がん剤を複数用いることで、それぞれの抗がん剤の長所を活かし、副作用を少なくし、進行がんを手術できるようになっています。
抗がん剤の種類には、細胞障害性抗がん剤と分子標的治療薬があります。
細胞障害性抗がん剤は、代謝拮抗剤(たいしゃきっこうざい)、毒ガス研究から開発されたアルキル化剤、抗がん性抗生物質、細胞の中にある微小管の働きを止めることにより、がんを死滅させる微小管阻害薬などに分けられます。